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倒叙ミステリー

倒叙ミステリーとは、初めに犯人や犯行過程が明らかになり主人公が犯人となって、犯人目線で物事が進行する形式のミステリー小説です。

なので、通常のミステリが犯人を追い詰めていくのか。のに対して、

倒叙では、『犯人が追い詰められていくのか。』が重要になります。

目次

倒叙について

倒叙とは

倒叙ミステリー【inverted detective fiction】、逆さまの探偵小説とも言われています。

まず、倒叙の意味について説明していきます。

  • 物事の時間的流れと逆の順序で叙述すること。
  • また、推理小説の手法で犯人側から叙述すること。

とあります。

通常のミステリーとの違い

通常のミステリー

通常のミステリーでは、

  1. 死体発見・登場人物の登場
  2. 捜査が進み、疑わしい人物が挙げられていく
  3. 探偵役が犯行のトリックを看破し、動かぬ証拠によって犯人を特定
  4. 犯人が事件の真相を語る

概ね推理小説ではこのような順序でストーリーが進行していきます。

世界初のミステリー小説といわれている、エドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人』もこの形式になっています。

倒叙ミステリー

倒叙ミステリーでは、

  1. 主人公(犯人)が殺人を犯す
  2. 犯人が事件から逃げる
  3. 捜査が進み、犯人が追い詰められていく
  4. 探偵役が犯人を特定
  5. 犯人が事件の真相を語る

倒叙形式では、はじめに犯人が分かった状態でストーリーが進行していきます。

倒叙ミステリー

倒叙ミステリーの魅力

はじめに犯人が分かってしまうなんてネタバレじゃないか!

という意見があると思います。

ミステリー小説において、ネタバレ、犯人や犯行の手法が分かってしまうことは禁忌ですよね。

しかし、倒叙ミステリーの魅力はここにあると思います。

倒叙ミステリーでは、犯人目線で物語が進む特性上、より犯人に共感しやすくなっています。なぜ被害者を殺害するに至ったか、犯人が徐々に追い詰められていく心情など、普通のミステリー小説では味わうことのできない話を楽しめます。

三大倒叙ミステリー

倒叙ミステリーには、【三大倒叙ミステリー】と呼ばれている作品があります。

その作品というのが、

  1. フランシス・アイルズ 『殺意』
  2. F・W・クロフツ 『クロイドン発12時30分』
  3. リチャード・ハル 『叔母殺人事件』

の3つです。

フランシス・アイルズ 『殺意』

F・W・クロフツ 『クロイドン発12時30分』

リチャード・ハル 『叔母殺人事件』

おすすめの倒叙ミステリー小説

ここでは、三大倒叙ミステリーとは別でおすすめの倒叙ミステリー作品を紹介していきます。

容疑者Xの献身

探偵が早すぎる

扉は閉ざされたまま

青の炎

死の接吻

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