国内編
1位:『たかが殺人じゃないか』辻真先
~ あらすじ ~
昭和24年、去年までの旧制中学5年生の生活から一転、男女共学の新制高校3年生になった勝利少年。戸惑いの連続の高校生活を送る中、夏休みに不可解な二つの殺人事件に巻き込まれる――。
勝利は、那珂一兵の助けを借りながら、その謎に挑む! 著者自らが経験した戦後日本の混乱期と、青春の日々をみずみずしく活写する、『深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説』に続くシリーズ第2弾。
2位:『透明人間は密室に潜む』阿津川辰海
~ あらすじ ~
透明人間による不可能犯罪計画。裁判員裁判×アイドルオタクの法廷ミステリ。録音された犯行現場の謎。クルーズ船内、イベントが進行する中での拉致監禁──。
絢爛多彩、高密度。注目の新鋭が贈る、本格ミステリの魅力と可能性に肉薄する4編。
3位:『Another 2001』綾辻行人
~ あらすじ ~
多くの犠牲者が出た1998年度の〈災厄〉から3年。
春から夜見北中三年三組の一員となる生徒たちの中には、3年前の夏、見崎鳴と出会った少年・想の姿があった。
〈死者〉がクラスにまぎれこむ〈現象〉に備えて、今年は特別な〈対策〉を講じる想たちだったが、ある出来事をきっかけに歯車が狂いはじめ、ついに惨劇の幕が開く!相次ぐ理不尽な“死”の恐怖、そして深まりゆく謎。
〈夜見山現象〉史上最凶の〈災厄〉に、想と鳴はどう立ち向かうのか――!?
4位:『法廷遊戯』五十嵐律人
~ あらすじ ~
法曹の道を目指してロースクールに通う、久我清義と織本美鈴。二人の過去を告発する差出人不明の手紙をきっかけに不可解な事件が続く。清義が相談を持ち掛けたのは、異端の天才ロースクール生・結城馨。真相を追う三人だったが、それぞれの道は思わぬ方向に分岐して――?
5位:『アンダードッグス』長浦京
~ あらすじ ~
「君の選択肢に『No』はない。『Si(はい)』でなければ『morte(死)』だ」――1996年末、元官僚の証券マン・古葉慶太は、顧客の大富豪・マッシモからある計画を託される。それは、中国返還直前の香港から密かに運び出される国家機密を強奪せよというものだった。かつて政争に巻き込まれ失脚した古葉は、逆襲の機会とばかりに香港へ飛ぶ。
だが、彼を待っていたのは、国籍もバラバラな“負け犬”仲間たちと、計画を狙う米露英中、各国情報機関だった――。裏切るか、見破るか。策謀の渦巻く香港を“負け犬”たちが駆け抜ける!
6位:『楽園とは探偵の不在なり』斜線堂有紀
~ あらすじ ~
二人以上殺した者は”天使”によって即座に地獄に引き摺り込まれるようになった世界。細々と探偵業を営む青岸焦(あおぎしこがれ)は「天国が存在するか知りたくないか」という大富豪・常木王凱(つねきおうがい)に誘われ、天使が集まる常世島(とこよじま)を訪れる。そこで青岸を待っていたのは、起きるはずのない連続殺人事件だった。
かつて無慈悲な喪失を経験した青岸は、過去にとらわれつつ調査を始めるが、そんな彼を嘲笑うかのように事件は続く。犯人はなぜ、そしてどのように地獄に堕ちずに殺人を続けているのか。
7位:『欺瞞の殺意』深木章子
~ あらすじ ~
無実にもかかわらず「自白」して無期懲役となった元弁護士と事件関係者との「往復書簡」は、「毒入りチョコレート」殺人をめぐる推理合戦となり、やがて「真相」のぶつかり合いが思わぬ方向へ物語を導いていく。
8位:『名探偵のはらわた』白井智之
~ あらすじ ~
稀代の毒殺魔も、三十人殺しも。名探偵vs.歴史的殺人犯の宴、開幕。推理の果ては、生か死か――。悪夢が甦る――。
日本犯罪史に残る最凶殺人鬼たちが、また殺戮を繰り返し始めたら。新たな悲劇を止められるのはそう、名探偵だけ! 善悪を超越した推理の力を武器に、「七人の鬼」の正体を暴き、世界から滅ぼすべし! 美しい奇想と端正な論理そして破格の感動。
9位:『暗約領域 新宿鮫11』大沢在昌
~ あらすじ ~
新宿署生活安全課の刑事・鮫島が目撃した殺人には、公安、ヤクザ、北朝鮮、国際犯罪者、さらに妖しい美女らの欲望と陰謀が絡み合っていた。
新宿で謎の獲物を巡る〝争奪戦〟が始まる!
10位:『不穏な眠り』若竹七海
~ あらすじ ~
仕事はできるが不運すぎる女探偵・葉村晶。
吉祥寺のミステリ専門書店でアルバイトとして働きながら、〈白熊探偵社〉の調査員として働いている。
海外編
1位:『その裁きは死』アンソニー・ホロヴィッツ
~ あらすじ ~
実直さが評判の離婚専門の弁護士が殺害された。現場の壁にはペンキで乱暴に描かれた数字“182″。被害者が殺される直前に残した謎の言葉。
脚本を手がけた『刑事フォイル』の撮影に立ち会っていたわたし、ホロヴィッツは、元刑事の探偵ホーソーンから、再び奇妙な事件の捜査に引きずりこまれて――。
2位:『ザリガニの鳴くところ』ディーリア・オーエンズ
~ あらすじ ~
ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。
6歳で家族に見捨てられたときから、カイアはたったひとりで生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女を置いて去ってゆく。
以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。
しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく……
みずみずしい自然に抱かれた少女の人生が不審死事件と交錯するとき、物語は予想を超える結末へ──。
3位:『指差す標識の事例』イーアン・ペアーズ
~ あらすじ ~
1663年、クロムウェルが没してのち、王政復古によりチャールズ二世の統べるイングランド。医学を学ぶヴェネツィア人のコーラは、訪れたオックスフォードで、大学教師の毒殺事件に遭遇する。誰が被害者の酒に砒素を混入させたのか? 犯人は貧しい雑役婦で、怨恨が動機の単純な殺人事件と目されたが──。
衝撃的な結末の第一部に続き、その事件を別の人物が語る第二部の幕が開き、物語はまったく異なる様相を呈していく──。
4位:『死亡通知書 暗黒者』周浩暉
~ あらすじ ~
2002年、省都A市でひとりのベテラン刑事が命を落とし、復讐の女神の名を冠す謎の人物〈エウメニデス〉による処刑の序曲は奏でられた。インターネットで死すべき人物の名を募り、遊戯のごとく予告殺人を繰り返す〈エウメニデス〉から挑戦を受けた刑事の羅飛(ルオ・フェイ)は、省都警察に結成された専従班とともに、さらなる犯行を食い止めるべく奔走する。
それは羅飛自身の過去――
18年前の警察学校生爆殺事件の底知れぬ暗黒と相対することでもあった……。
5位:『パリのアパルトマン』ギヨーム・ミュッソ
~ あらすじ ~
それぞれ別の目的でパリにやってきた元刑事のマデリンと人気劇作家のガスパール。
マデリンは傷心を癒すため、人間嫌いのガスパールは執筆で缶詰になるため。
この他人同士の男女は偶然、同じ不動産レンタルサイトで一件家を予約するが、当日にダブルブッキングが判明。反りの合わない2人は互いに一歩も譲らない。
だが、当の家が1年前にニューヨークで急死した天才画家ショーン・ローレンツの元アトリエと知ると、彼らは次第に画家とその作品に惹かれていき、未発見の遺作3点が存在するという情報を得て行方を探し始めるが……。
絵に隠された秘密に導かれて突き進む2人を待ち受けていた、誰にも予想できない衝撃の真実とは!?
6位:『天使は黒い翼をもつ』エリオット・チェイズ
~ あらすじ ~
ホテルで抱いた女は、三日して部屋を出るとき、俺と一緒だった。
最初は、南へ向かう旅の途中で捨てるつもりだった。でも「悪い金なんてない」と言い放つ女には見るべきものがあった。
俺には計画があった。一緒に脱獄するとき命を落とした仲間が残した、とびきりのヤマが。
そして、計画には相棒が必要だ……。
7位:『警部ヴィスティング カタリーナ・コード』ヨルン・リーエル・ホルスト
~ あらすじ ~
ノルウェー南部の小都市、ラルヴィク警察犯罪捜査部の警部ヴィリアム・ヴィスティングが、謎の失踪を遂げたカタリーナ・ハウゲンの行方を追い始めて24年がたっていた。ヴィスティングは毎年、事件が起きた十月十日になると、夫のマッティン・ハウゲンを訪ねていた。24年目の十月十日も同じように訪ねたが、マッティンは不在だった。異例のことだった。
明くる日、オスロの国家犯罪捜査局(クリポス)未解決事件班の捜査官アドリアン・スティレルが来訪する。スティレルは、カタリーナ事件の2年前に起きたナディア・クローグ誘拐事件の再捜査を始めていた。事件は殺人事件と見なされ、その最重要被疑者として名前が挙がったのがマッティン・ハウゲンだった。
スティレルがヴィスティングに言う。「力を貸していただきたい。ハウゲンと親しいあなたに」
ヴィスティングは了承のしるしに短くうなずき、こう続けた。「一点だけ問題がある。マッティン・ハウゲンが消えた」
8位:『時計仕掛けの歪んだ罠』アルネ・ダール
~ あらすじ ~
15歳の少女3人の連続失踪事件を追うベリエル。目撃の通報を受けて急行するも、3度とも現場はもぬけの殻で、彼は苛立ちを募らせていた。事を荒立てたくない上司の警告をよそに、殺人事件だと確信し捜査に執念を見せるベリエルはやがて、それぞれの現場写真に映る不審な女に目をつける。緊迫の攻防、息を呑む逆転劇、衝撃の真相……。
9位:『あの本は読まれているか』ラーラ・プレスコット
~ あらすじ ~
冷戦下のアメリカ。ロシア移民の娘であるイリーナは、CIAにタイピストとして雇われるが、実はスパイの才能を見こまれており、訓練を受けてある特殊作戦に抜擢される。その作戦の目的は、反体制的だと見なされ、共産圏で禁書となっているボリス・パステルナークの小説『ドクトル・ジバゴ』をソ連国民の手に渡し、言論統制や検閲で迫害をおこなっているソ連の現状を知らしめることだった。――そう、文学の力で人々の意識を、そして世界を変えるのだ。
10位:『三分間の空隙』アンデシュ ルースルンド、ベリエ ヘルストレム
~ あらすじ ~
コロンビア。子どもですら200ドルのために殺し屋になりたがる社会の暗部に、麻薬取締局に雇われた男が潜入していた。任務は麻薬犯罪ゲリラPRCの情報を米国に提供すること。しかし特殊部隊を率いる米国下院議長がPRCに拉致されたとき、事態は思いもよらぬ急変を遂げる。潜入捜査員の命運はストックホルム市警のグレーンス警部に託された!